俺は答えをはぐらかした。
佐藤も別に追及せず、
冷蔵庫を開けてジュースを取り出すと、飲んだ。
「…飲む?」
「いらん」
だってそれ、佐藤のじゃないと思う。
「ドロボー…」
「ちょっとくらいわかりゃしねぇって!
あ、プリンだ。…賞味期限今日じゃん」
あ、開けた。
「…食う?」
「いらん!知らないぞお前〜」
「弁償したって100円じゃん」
ろくな奴じゃない。
「腹減ってんだろ?」
「いいんだよ、俺は。副部長にホットコーヒー掛けて、
冷やしに来ただけなんだから」
「冷やしてねーじゃん」
「あ」
そうだった。 →