給湯室 20:38

俺は答えをはぐらかした。

佐藤も別に追及せず、
冷蔵庫を開けてジュースを取り出すと、飲んだ。

「…飲む?」

「いらん」

だってそれ、佐藤のじゃないと思う。

「ドロボー…」

「ちょっとくらいわかりゃしねぇって!
 あ、プリンだ。…賞味期限今日じゃん」

あ、開けた。

「…食う?」

「いらん!知らないぞお前〜」

「弁償したって100円じゃん」

ろくな奴じゃない。

「腹減ってんだろ?」

「いいんだよ、俺は。副部長にホットコーヒー掛けて、
 冷やしに来ただけなんだから」

「冷やしてねーじゃん」

「あ」


        そうだった。 →