男子トイレ20:45
「違うんだ、誤解だ。
 その…副部長が放してくれないもんだから…」

ふっ、と 両腕が軽くなった。
双子が離れたのだ。ああ、よかっ…

「そんなわけないでしょうがー!!!」×2

ステレオで怒鳴られた。
…耳鳴りがする。

よろけた俺の肩を支えるように
副部長が手を伸ばし、すぐひっこめた。

「斎藤の言う通りなんだ。私が誘った。
 すまなかったな……うっ」

…なぜ、そこで泣く。

「酷い!!斎藤さん非道!!」
「最低!サイテー!!サイテーっっ!!!」

ああ、うるさい…

「スイマセンでした。許してクダサイ。何でもシマス」

我ながら見事に心の入ってない謝罪だ。

「何でもするなら死んで」×2

うっ……。

キツい双子の言葉。
救いを求めて副部長に視線を送る。

涙でうるうるの瞳と目が合った。

「死んじゃう前に一度、デートをしてみたかった…」

あー…いつもやるだけですいませんでしたね。
だって別に恋人じゃないし。ていうか殺すな。

「それイイですね。そうしましょう。斎藤さんの奢りで」
「副部長、今日用事ありますかー?」

「ぐす。…ううん、ない」

「じゃあ、決まりー」×2


…え?



            デートGO→