「違うんだ、誤解だ。
その…副部長が放してくれないもんだから…」
ふっ、と 両腕が軽くなった。
双子が離れたのだ。ああ、よかっ…
「そんなわけないでしょうがー!!!」×2
ステレオで怒鳴られた。
…耳鳴りがする。
よろけた俺の肩を支えるように
副部長が手を伸ばし、すぐひっこめた。
「斎藤の言う通りなんだ。私が誘った。
すまなかったな……うっ」
…なぜ、そこで泣く。
「酷い!!斎藤さん非道!!」
「最低!サイテー!!サイテーっっ!!!」
ああ、うるさい…
「スイマセンでした。許してクダサイ。何でもシマス」
我ながら見事に心の入ってない謝罪だ。
「何でもするなら死んで」×2
うっ……。
キツい双子の言葉。
救いを求めて副部長に視線を送る。
涙でうるうるの瞳と目が合った。
「死んじゃう前に一度、デートをしてみたかった…」
あー…いつもやるだけですいませんでしたね。
だって別に恋人じゃないし。ていうか殺すな。
「それイイですね。そうしましょう。斎藤さんの奢りで」
「副部長、今日用事ありますかー?」
「ぐす。…ううん、ない」
「じゃあ、決まりー」×2
…え?
デートGO→