「副部長とは何でもないから!」

そう言うと真中は視線をそらした。
…いや、俺じゃない物を見て…る…… う。

真中の視線の先には副部長がいて、
副部長は俺を見ていた。そして、こう言った。

「…ひどい」

目が、涙でいっぱいで、泣きそう。あ、泣いた…

「ち、違うんです副部長これは―…」

「…サイテー」

真中は俺に最低といい残し、去って行った。

…逃がした魚を悔むのはよそう。
釣った魚、もとい、副部長の傍に寄る。

「ああ言うのが君の為だと思ったんだ。
 ね、泣かないで?」

涙を拭く手の間から、副部長は俺を見た。

「…寄るな」

見た→誤。 睨んだ→正。
こわい…。

「そ、そんな事いわないでー、ほら…ね?」

「なにするんだ、やめろ斉藤こんな時に…」

こんな時だからさ!

「副部長ぉーー」

「いやー!!」

副部長が生娘のような悲鳴を上げた時、

『そこまでだ!』×2

警備服の2人組みが駆け込んできた。
…ヤバい、あれは守衛の双子!

「やっぱり斉藤さんは鬼畜だ」
「僕達を犯しておきながら副部長にまで」

鬼畜、犯…って。


反論する間もなく、俺は双子に引きずられて
会社から放り出された。



手帳を持ってこれず、翌日の仕事は失敗した。

…というか、それ以前に、

俺は『素行不良』でクビになったのだった…


        GAME OVER