「ちょっと待ってくれ、
 真中とはまだやってないから―…」

その分、罪は軽く…ならないかなあ って、さ…

3人の眼が冷たく俺を見ている。

「まだ?やってない?だから!?」
「そんな風に思ってたんだ!?じゃあ一緒でしょ!」

「…やっぱりサイテー」

いかん、これはいけない。
「違うんだ、そういう意味じゃなく俺はただ…」

それから…
誤魔化そうとすればするほど墓穴を掘った。

おとしたはずの双子は俺に対する気持ちが
すっかり冷めてしまったと言い、真中にも
完全に軽蔑されてしまった。

…いいさ、俺には仕事があるさ。

「ない!!!」

7階オフィスの俺の机、あるはずの手帳が
どこにもないのはなぜだ!?

机、ゴミ箱、床、横の机、そのむこうの机、
植木鉢の中まで探したがどこにもなかった。

一緒に探してくれた人達は、こう言い残して
先に帰って行った。

「そういえば、真中が机拭いてたから、
 その時見なかったかきいてみれば?」

「廊下に落としたんじゃないのか?
 警備の人に聞いてこいよ」

…聞けねぇ。

また探す。→やっぱりない。→携帯に電話して聞く
→相手にしてくれない。

それから、
深夜まで自宅を探したが、手帳はどこにもなく、
情報も自信もない状態でむかった仕事は
もちろん失敗したのだった。


  
       GAME OVER