「んんーっ」
私は裂いたスカーフの残りを、忍の口へと突っ込んだ。

「んーっ、んーっ、ん…」
恐怖に引きつりながら、忍がくぐもった声を上げ続ける。

「私も針を焼くのは好かぬ。皮膚を差した時の焦げる匂いは興ざめだ。
だが、化膿して困るのは忍だからな。お前の為なら仕方がないさ忍…」

真っ赤に焼けた針を、忍の誇張に突き刺した。
「んんんー!!!」

瞬間、ジュッと焼ける音を聞いた気がした。
よく尖った針は難なく忍を貫いた。

私は針を刺したまま、
もう一本、もう少し太い針を焼いた。

焼けあがった針を上から刺す。

またやや太い針を焼いて刺し、
3度目に、
金の輪を忍に通し終えた。

忍は瞬きもせずに目を見開いたまま空を見ている。
私は水を口に含み、忍の目を濡らしてやった。

「もう終った、忍。よく堪えたな、いい子だ」
「う…っ」
口からスカーフを取ってやると、忍の目からぼろぼろと涙が零れた。
動いては傷にさわるから、このまま数日過ごさせるとしよう。

これで忍はまた1つ私の物になったわけだ。

かわいい忍…

「そうだ。今年の新年のお披露目はお前にしよう。
珍しい東洋人の花嫁だ。配下の国々の王には真似できんぞ。
今年も私の獲物が1番だ」

「花……?」

「そうだとも忍。新年会まで時間があるから、毎日ゆっくりと
身体を宝石で飾ってゆこう。結婚のリングを沢山つけような、忍」

「いっ…いやだあああああ…」






   …その後、                            
王様の国は美しい花嫁にと沢山の贈り物が届けられ、      
その1年は戦をしなくても裕福に暮せる良い年になったそうです。
めでたしめでたし。