「好きとか嫌いとか…そんなんじゃないです」

「俺は好きだな」
「………」
「潮も好きだし、夏木も好き」
「んん…」

僕と先輩は唇を合わせた。
すぐに舌が僕の口の中に入ってくる。
すごく、上手いキスだ…

「はあっ、そんなにしがみ付いたら痛いよ夏木」
笑ってる先輩の口と僕の口に透明な唾液の糸が繋がって、切れて落ちた。
僕の手の上に落ちた雫を先輩はねっとりと舐め取った。

「先輩…」
「なんだい?…当ててあげようか、もっと舐めて欲しいんだろ…ほら」
「ああっ」

先輩にこれ以上はないってくらい気持よくしてもらって、身を委ねたまま、
最後は導いてもらった先輩の身体の奥で僕は達した。

「…さて、今日はこれくらいで帰ろうかな」
「先輩」
「まだしたい?」
「僕と付合って下さい」
「……」
「だめですか?」
「……そんな事今まで言われた事ないし、考えてもみなかった」
「僕、先輩が好きになっちゃったんです」
「はは、そんな事いわなくても、いつでもやらせてやるって」
「僕じゃだめですか…?」
先輩はしばらく僕を見て、それから僕を抱きしめてくれた。またしばらくそうして、
「いいよ。付合おうか」
と言ってくれた。
「でも夏木としかするなとは言わないだろ?」
僕もしばらく考えた。そしてこう言った。
「はい」

それから僕達は付合い出した。
先輩はあいかわらずいろんな人とセックスをしている。

今日も昼休みに一緒に御飯を食べて、それから一緒にトイレの個室に入ったら既に
先輩のお尻には精液の跡が付いていた。
朝から誰としたんだろう…

妬く気持はまだ残ってるけど、そんな先輩を僕は好きになったのだからと思う。

「先輩、僕のこと少しは好きですか?」
「ああ、大好き…」
あの人もこの人も僕の事も好きな先輩。
でもあの人よりこの人より僕が1番先輩を好き。

                                END