僕はポケットからチケットを出し、掲げて見せた。

「見てノビ太君。プ〜ル券ーっ」
「…誰がノビ太だ」
「ここ行こう。さっきイトコの兄ちゃんに丁度2枚もらったんだダメ?イヤ?」
「構わないが…」
「じゃあ決まりね。水着とりに行こう」
「…わかった」

沢村って、一度考えてからそれを口に出す話し方をするんだな。
えらいよねえ。僕も見習わなくっちゃ…
そんな事を思いながら一度自宅へ戻って水着を持って、沢村の家に向った。

教えてもらった沢村の家はすぐに分かった。
ここから一緒に自転車で遊園地に行くのだ。30分ちょっとで行けるはずだ。

玄関チャイムを鳴らすと、きれいなお母さんが出迎えてくれた。
沢村のお母さんは「遊園地まで自転車で行く」と言うと「あら大変」と言って車で送ってくれた。

沢村はお母さんと話をしなかったから、車の中で僕は一人で喋った。
送ってもらったお礼を行って車を降り、僕等はプールへ向った。


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