「彼女と別れて」
ああ、言っちゃった…。
「は?」
「だって…イヤなんだもん。あの人あんまり美人じゃないしそれに…」
ああ、僕は何を言ってるんだろう。何て、嫌な子なんだろう。
「…ごめんなさい洋兄ちゃん」
「わかった」
「え…」
「涼は俺が好きなんだな」
「うん…。そんなんだよ兄ちゃん。僕、洋兄ちゃんが…」
「俺にはもっと良い彼女を連れててほしいんだよな」
「…そ、れは、僕―…」
「実をいうとそろそろあの子には飽きてだんだ」
「………。」
数日後、言った通り兄ちゃんは彼女と別れてしまった。
しかし、またその数日後には言った通り、兄ちゃんはもっときれいな彼女を連れていた。
この彼女と兄ちゃんがずっと続くのか、終わるのかまだわからない。
僕の望みがまだ残っているとすれば、
兄ちゃんが彼女をかえる度に発生する1人でいる時間を、できれば僕に欲しいという事だけだ。
END