「ヤバい…そうだ、こっち来て」
「あ、…」
便座に蓋をして座る。
横向きに、お姫様だっこで副部長を膝に抱いた。
「足、上げててね」
「うん…」
会社で、くっつくのははじめてだ。
シャワーを浴びてないから、整髪料の匂いがする。
ゴワゴワするシャツとかたく触れるネクタイの結び目と
洗い物してる水音…
しかもなかなか終らない。
あのなー、
トイレはな出してすぐ出ていく場所なんだよ!
洗濯ならヨソでやれ!
見知らぬ誰かに心で文句言う。
ああ〜、さっき出てればよかった。
腕しびれる。脚いてぇ。
副部長はというと、うっとり目を閉じ幸せそうだ…
幸せならいいか…ダメだ。
上げた足が震えてる。
かわいそうだから、壁に足がつくようにしてあげよう。
「あ」
「わっ」
体制を崩して、おっことしてしまった。
副部長、背中からまともに…
「いた〜…」
「ごめん、ごめん、大丈夫?」
助け起こすのに狭いから、つい鍵を開けた時、
トイレの手洗いで洗濯してた奴が、
物音を聞いて様子を見にきた…
君は…