男子トイレ20:45
「どう…って、別に」

「嫌い?だったらもう一切かまわないから」

何かにつけて手を握ったり、髪に触れたり、
誘ったりしないし、近寄ることも、
毎日褒めたり話しかけるのもうやめる。

…ほら、「それは寂しい」って顔して
黙るから、俺はキミがわからないんだ。

真中の手から雑巾を取り上げた。
水を止めて、とっくにキレイになってる雑巾を絞って
返す。

「俺の気持ち、わかってるんだろ?真中」

「………」

「頼むから…」

動きに困ったように、彼は指で髪を耳に掛けた。
視線に気付いて、また髪を落とす。

頬が赤くなってるから…

「…はっきり言ってくれ」

「そうです!はっきりしてくださいっ!!」×2



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