この男には魔道士特有の気配がない。
私の知る魔道士は、どんな格好をしていても
それとわかる気を持っている。
しかし、こいつときたら格好ばかりで
まったく一般人と変わらない。
そもそも、
この若さでは大した術は使えないだろう。
主が仕掛けた罠に、我々は掛かったに違いない。
私は魔道士のローブの首元を掴んだ。
「では主はどこにいる…」
「わかりませんわかりません。私は留守番で…」
上に持ち上げ、下ろすと
見習魔道士は脚を滑らせ床に尻餅をついた。
…無駄な時間を消費した。
やり直しのため道を戻る 最後に見習魔道士を蹴る