「俺はすぐ出かけてかまわないが、あんたはいいのか?王様」
そう言う忍も防具の一つも身につけていない軽装なのだが、
それはいつもの事だ。
腰に下げた剣一つで戦い、身を守る。
私に敗れて暫くは、
また負けついでに簡単に犯される事のないようにと
幾重にも装備を重ねていたが、
動きにくいのはかえって邪魔になると
とうとう私の兵になってしまった時に悟ったという。
私も、国相手の戦であったら権力と力を誇示する為に
金の鎧を身にまとうが、獣が相手では意味がない。
しかし、せめて剣くらいは持ってゆくか。
「では一度、自室に戻るとしよう。忍…
待っていてくれ お前も来るんだ…