「え…」
天君は、もう出ようと言った僕にかなしそうな顔をみせた。

僕はつまんないプールだと思うけど、天君は気に入ったのかな?
「あっ、いいよ。まだここで遊んでようか天君」
「…ううん。いいの。ボクもこんなプール退屈で飽きたの。」
「そう?よかった」
「……」
「でも他に遊べそうなところもないし。もう少しここにいようよ」
だって、天君はまだここに居たそうなんだもん。

「ボクがいたら遊べない…?」
「そ、そんな事ないって」
「やっぱりボク、コンタクトつけてくる」
天君は駆出した。
「待って天君」
「止めないでー」
「更衣室はこっちだよー。そっちは反対ー」
言ってる側から天君は、プールに子供が持ち込んだビニール玩具を踏み、すべって転んだ。
ばしゃっ。
水飛沫を上げて倒れる。
「…いたいい」
「プールは走っちゃダメって先生にも言われたでしょ」
「うん」
「はい、手をつなごうね」
「はい」
ああー。かわいいー。

僕は天君の手をひいて、更衣室へと向った。

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