プールは25m幅の長方形で、学校にあるのと同じに見える。
でも、最初の右端は学校のプールと一緒だけど、
左端に向ってだんだんと深くなっているんだ。
中学生くらいの男の子達が、どこまで歩けるか挑戦してる。
真中までに爪先立ちになって必死に顔を上げて、わーもうだめだーとか騒いでた。
その歓声を聞いた天君が首をかしげる。
「?ここはあぶないプールなの?」
「危なくないよ。でもすこし深いところがあるから、恐いと思ったら僕につかまってね」
「うん。つかまる」
…僕って、さもしいかなあ。
正直言って、天君とくっつきたくて、こっちのプールに来ました。えへ。
「天君、手をかそうか?」
「平気。ここ、学校のプールと同じだもの」
天君は、ちゃぷんと軽い水音を立てて水に入った。そして、すいー〜と軽やかに泳ぎ出す。
「天君て、泳げるんだね…」
プールの時間はいつも女子と水温泉してるから、泳げないかと思ってたよ。ちぇ。
僕は水に飛び込んでプールに入った。
最初、冷たい!と感じた水にすぐ身体が慣れる。
その場で水に潜り、水中で目をあける。
青い水。ぼんやり見える人影。水の中は静かで不思議な気分になる…
「はあっ」
さて、天君と泳ごうかな。
僕はプールを見渡して天君を探した。
このプールには同世代の男性が多く、姿を見つけずらかった。
声に出して名前を呼んでみようか。そう思ったら天君を見つけた。
結構深いあたりですいすい泳いでる。
僕は
天君に声を掛けた。
様子を見守った。