「暑いけど、大丈夫です」

僕は袋を男の人に返した。

「そう」
男の人はそれ以上僕にかまわず、鍵を出して自分の部屋のドアを開けた。

「あの、ありがとう」

ドアが閉まるのと僕が礼を言うのが重なった。…ちゃんと聞えたかな?

買ってくれたのが牛乳で出来たアイスじゃなくて、
もっと冷たいシャーベットだったら貰ったんだけどな。なんて考えたらますます喉が乾いた。

暑さに耐えられなくなった僕は、マンションを出て近くのコンビニに向った。

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