僕は曖昧に言葉を濁した。
彼は「そう」とだけ答え、それ以上は聞かなかった。
僕はそれから、今まで仕事したという雑誌や写真集や発表しされていない写真を見せてもらって時間を過ごした。
中でも僕を圧倒したのは無名のモデル達の裸体だった。
それは、いやらしいと言うにはきれいすぎるし、
きれいというには生々しい写真だった。
言葉を知らない僕はせっかく見せてもらったのに上手く感想すら言えず、
もやもやしながら部屋を後にした。
写真家の空木さんは「またおいで」と言ってくれたので、僕はすこし勉強してからまた遊びに行こうと思った。
洋兄ちゃんはまだ帰ってこない。
1日の時間はまだたっぷり残っている。
僕は有意義に時間を潰そうと近くの図書館へ向った。
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