僕は自信満々に兄ちゃんから貰った券を取り出して見せた。
「入場無料プール券だーっ。夜になったら遊園地の花火も見れる」
「へえ…」
「すごいだろーっ」
「はいはい、すごいすごい。どうしたんだ、ソレ」
「兄ちゃんに貰ったんだ」
「また[『兄ちゃん』か…オマエそればっか言ってんな」
勇士は僕から視線を逸らしてしまった。
楽しい雰囲気が急に消えて僕は焦った。
「…2枚貰ったから行こうよ、僕と勇士で丁度だし」
「やめとく」
「なんでえ」
「オマエのその『兄ちゃん』に連れてってもらえばいいだろ」
「兄ちゃんは今日用があるんだよ…」
「はっ、子守りの代理なんてまっぴらだね」
子守り!?
ちえっ。もういいよ。折角誘ってあげたのに。
僕は1人でプールに行く事にした。
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