副部長室 20:52
ウチの社長は跡取社長の2代目でアホだ。
小さな事では面接にきた双子が気に入ったから
その為に守衛部署を設け、大きな事ではかっこいい
からという理由で大きなビルに会社を引越しさせた。
早く引退して欲しい。それはともかく、そんな訳で
部屋が余っているので、課長室、主任室まである。
「すいませんでした、斉藤君」
「ありがとうって言って」
「す、すいません。ありがとう」
それにしてもよく謝るな…
俺の事がきらいなのかと顔を見るとにこにこしていて
「…あの?」
手を握っても振りほどかないし、
「は………」
抱き寄せてもじっとしている。
「あの、斉藤君、すいませんが…」
またスイマセンだ…
「…あの、放して下さい。副部長に悪いので」
「 ! 」
副部長に悪いって、なんだ!?
「副部長の部屋で…こんな…」
そういう意味か。
だったら…
「部屋が違ったら、いいんだ?」
「はい。…あっ、すいません」
村崎さんは俺から逃げ、机を挟んだ位置にまわった。
「…そんな露骨に逃げなくても」
「すいません、違います。…仕事中なので」
「もう終ったんじゃないの?」
「副部長にチェックしてもらわないと」
副部長…
そういえば遅い。トイレだったら長すぎる。
見られた後だし、心配になってきた…
様子を見に行く
大丈夫でしょ