「斉藤さん…。副部長?」
「や、やぁ真中。こんなところで何してるんだ?」
「帰る前に掃除しないといけないんです」
どうせ朝の掃除があるのに面倒な事を…
我社の女社員達には妙なルールが沢山ある。
アルバイトを女性限定で募集していた頃は
次々と入っては辞めていった。
美少年の真中は人事課の最後の希望だ。
「仲良いですね。こんなところで…」
明かに冷めてる皮肉な口調。
俺のカンではおとせるはずの子なんだが、
どうも上手くいかず、何度も口説き損ねてるうちに
すっかり人格評価を下としてしまっている。
副部長、なんとか言っ―…だめだ。
手を擦りむいてイタイのでそれどころではないらしい。
じーっと自分の手を見てる…
「あのさ、真中…
バンソウコウ持ってない?
副部長とは何でもないから!