男子トイレ20:45
 俺は判断して覚悟を決めた。
エリートの副部長にキズをつけてはならない。

「いや〜。偶然、ここで副部長と一緒になってさ、
 疲れてそうだったから、ちよっとくらい
 セクハラしても抵抗されないかなーと思って
 ちよっと無理矢理ネ☆ …内緒にしてくれヨ」

沈黙…

双子が揃ってこう言った。

「まぁ、そんなところでしょうね」×2

…なんだその納得。
所詮、自業自得か。

副部長が俺の前に立った。

「違う、無理言ったのは私のほうだ。
 迷惑かけてすまない斎藤…」

副部長は優しいなー。さすが大人の男だなー。
ベッドじゃ あんなに子供なのになー
そうだ、みーくんよりみーたんのほうが可愛…

はっ!!!

「斎・藤・さ・ん・〜…」×2

忘れてた、双子。

「君達、見回りが済んだら早く帰りたまえ」

副部長がクールにそう言い、場が白けた感じで
彼等は渋々仕事に戻って行った。

また二人きりになって、

「あのさ、みー…」

「君も残業なら早く終らせたまえ」

「はい…」

振り向かず、『副部長』はそう言った。
その背中を見ながら、俺は思った。


     あー、よかった。


     いや、よくない。