「僕と外で遊んでよ」
今日は洋兄ちゃんにも振られたし、ついでに沢村にも振られとくか。
その程度の気持ちで僕は彼にそう言った。
「構わないが」
「ほんと?やったー。僕、沢村ともっと話したいけど、
図書館でお喋りしてたら邪魔になるからさー」
「………。本を戻してくる」
ん?また僕なんか沢村が考えちゃう事言ったかな?
沢村はすこし考えて、ちょっと赤い顔をして本を返しに行った。
僕達は図書室を出て、建物の出口へやって来た。
自動ドアのマットを踏むと、
「暑っついいいー」
開いたドアから、むっとする暑さが吹いた。
そうだ、僕、暑いから涼しいトコに来たのに、なんですぐ外に出てんだろ…
「沢村ー。暑いよー」
「夏だからな。当然だ」
日に焼けてない沢村の白い顔。こんなに暑いのに平然としてる。
「沢村ってえらいなー」
「……えらい」
「僕ねえ、夏はバテバテでダメなんだよ。泳げるから夏は好きなんだけどね。
あっそうだ、泳ぎにいかない?」
「泳ぎ……」
暑いし、セミはみんみん鳴いてるし、いちいち沢村が考えるのを待ってらんない。
(今までの分岐で、プール券を―――)
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