プールからずっと、裸足で歩いたから足の裏が痛かった。
勇士にそう言うと「ヤワだな」と言って笑った。

しばらく更衣室に戻れそうも無いので僕達は水着のままで教室にいる。
「勇士の机はどこなの?」
「窓際の1番後」
「ええーっ、いいなあ。羨ましいよう」
「まあな。でも新学期なったら直ぐ席替えあるし…おい、触んな」
「机にいっぱい教科書入ってるよ。持って帰れって先生に言われなかった?」
「お前は持って帰ったのかよ」
「うん。半分ね」
「まだ見てんのか。金目の物はねえぞ」
「縦笛があったら舐めようかと思って」
「………」
冗談を言った僕に、不機嫌そうに顔をしかめて勇士はむっつりと黙り込んだ。

「勇士…?」
「気色悪い事言うんじゃねえよ」
「…気色悪い、か。そうだよね。ごめん、あはは…」
「お前さぁ…」
「なに、勇士」
「俺がやろうぜって言ったらどうする?」
「な、なにを?」
「セックス。もしくはそれに近い事…。女とやるのと違って後腐れなく楽しむだけ楽しめるだろ?」
「僕……」
「どうする、涼…」

           やりましょう。

           そんなのやだ…。